医療

軽症鬱に関しては今のところ効果的な手段は存在しない

先日、心の健康と自殺予防を考えるメンタルヘルス・シンポジウム に参加してきました。「認知行動療法」について実践をしながら、最新の動向を学んできました。 今まで学んだことを再認識しながら、感覚的に感じていたことを改めて確認できる講座でした。講…

「寄り添う」への違和感 寄り添うぐらいだったらハブになろう

「寄り添う」という言葉。相手を本当に理解するために。 辛い気持ちを支えてあげるために。凄くいい響きで否定し難いものを感じるのですが、 私は時として、この言葉へ抵抗を感じることがあります。医療分野に足を突っ込んでからこの言葉を意識するようにな…

子育て中の親には不健康要因が揃っている

子どもの予防接種、検診、通院はしていても、自分の健康は後回しになっていませんか?子どもはよく風邪をひくけど、20〜40代ぐらいはまだ元気。 かく言う私もそう思っていたですが、通院者は30代以降の方が多いんですね。 (分母には入院者数を含むが、分子…

あなたの仕事は「誰を」幸せにするか?

医療とは「いかによく生き、いかによく死ぬか」を支援するアプローチのすべてを指す。自分以外の誰かを幸せにしていれば、その仕事は「医療」だと言える。 「すべての仕事は"医療"である」 『「病院」がトヨタを超える日』の著者。公演も聞いたことがありま…

キューバにみる医療に対する国民性

医療教育が行われている国。 それは優れた医療制度を持つ国か?そう考えた時に真っ先に浮かんだのはキューバだった。数人視察に行かれた方を知っているし、帰国後の講演を聞いたこともあります。 世界的にみてもキューバの医療制度の評価は高い。キューバは…

日本のこころは厳しい こころだってカゼひくんだよ!

ちょっと鬱になった(こころがふさぐ)時に病院に行くこと。薬をもらうこと。相談に行くこと。IT関係出身で、経験者でもある私は全然問題ないと思うのですが、 社会的にはとても表にしづらい。例えば 夫婦でカウンセリングに行った。 子どもが不安定で病院に…

こどもの喘息 身近だけどなが〜いおつき合い

東葛病院で「こどもの喘息 ― 診断とテーラーメイド治療」という講座を聞いてきました。 喘息と聞いて「あ、関係ないや」と思いましたか? いえいえ、関係あるかもしれませんよ。ぜん息の子どもってクラスに一人ぐらいいた気がしませんか? そのぜん息の子ど…

小児医療の問題は医療全体の問題とつながっているんだけど・・・

上り下り、たまに引き返しながら、医療関係の活動に参加するようになって2年以上が経つと思います。 小児医療をよくしたい凄く漠然とした目標ですが、そう思いはじめたのが「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」に入会した時だと思います。多分2年半前ですね…

WorldShiftを知っていますか?持続可能な社会へ

WorldShiftを知っていますか? 今の社会は持続可能な社会ではありません。 人口は急速に増え、化石燃料は枯渇し、自然は破壊され、地球は一つでは足りなく2つ、3つ、それ以上に必要という試算もあります。 成長の限界は40年以上前から指摘されています。…

啓発はおこがましくもあるが幸せな社会を実現するには・・・

自分のやっている活動、「医療の授業」という看板に自信が持てなくなってきました。 以前から漠然とした不安は感じていたのですが。まず「医療」という括りが大きすぎる。 スコープが広すぎて一般の人には連想が出来ない。そして「授業」という言葉も、教え…

国保の脳ドック助成の有無が一般市民に与える影響

流山市の国民健康保険運営協議会というものを傍聴してみました。まず「国民健康保険」って何?というところから。 国民健康保険(国保)は、会社員や公務員とその扶養者以外が加入する保険で、主に自営業者、または会社を退職した方が一時的に加入するケース…

窓口で200円を機械的に払っていると医療費ってさっぱりわからなくなる。

先日、子どもを病院に連れていきました。 その病院。ありがたいことに18〜20時に開業している曜日があります。早速このご利益にあやかったわけですが。。。みなさん、診察の後にもらう処方箋とレシート(領収書&診療明細)。 確認したことありますか?まぁ…

医療についてもう一度頭の中を整理してみた。

医療って必要になってから考えるんじゃ遅いんだよね。 必要になった時にはもう余裕のない状態で、考えてる場合じゃない。 今苦しいのをどうにかしたい、どうしたらいいんだ。ってなるから。「医療」って教えてもらう機会がないんだよね。 しかも健康のうちな…

子どもに多い事故〜その対策と対応〜 Q&A編

前回のエントリーでご紹介した講座の後のQ&Aです。 実際にあった「ヒヤリ体験」の共有もありましたので、あわせてご紹介します。 Q.空き箱をあげたところ、中身に乾燥剤が入っていたことに気づかず、赤ちゃんがそれを舐めてしまいました。中身は染み出してい…

子どもに多い事故〜その対策と対応〜 講座編

小児科医から学べる健康講座第3回です。 子どもの死因で最も多いのは「不慮の事故」です。過去エントリー)子どもの死因1〜3位 (平成24年)から 親ができる簡単なことでは、なぜそんなに事故が多いのか? それは「子どもは昨日まで出来なかったことが、今日…

発達障害でも父親のネットワークをつくろう!

ファザーリング・ジャパンで発達障害児のいる父親とその家族を応援するプロジェクトが始動します。発達障害児のいる父親とその家族を応援しよう!〜メインマン・ プロジェクト始動!先日このプロジェクトのミーティングに参加してきました。 そこであげられ…

目覚まし時計が鳴るように毎日ネジを巻かないといけない

2月に参加させていただいた「地域医療を守り・育てる住民活動全国シンポジウム2013」の中で、ある人が紹介していた本を今更ながら読んでみました。人生の目覚まし時計posted with amazlet at 14.09.05富田 欣和 PHP研究所 売り上げランキング: 237,482Amazon…

子どもの命が子育て中の親の犠牲で成り立っていていいのか

東葛病院での講座をもとに連続でエントリーを書いてきました。 私は東葛病院の関係者ではありません。 でもここまでしつこく書くのは、東葛病院の小児科をすごく応援したくなったからです。 当日講演をしていただいた小林医師この方も小さなお子さんのいる母…

子どもがけいれんしても救急車を呼んではいけないのか? 入院率3%の是非

前回のエントリーで東葛病院の救急センターの入院率が3%と書きました。東京都の平均と比べても悪い数字ですし、愛友会病院との平日夜間の輪番制がなくなり厳しい運用となっています。では、入院率はどれぐらいの数字が理想なのでしょか?すべての親が我が…

流山には子どもの救急病院が少ないのか?

前回のエントリーで流山の小児救急を担う東葛病院の実態を紹介しました。 子育て世代の流入が多く、子どもも増えている流山ですが、それ以上に 子どもの急患が増えています。では、実際のところ東葛病院の小児の急患は多いのか? それって、流山市の人口増に…

流山の充実しつつも厳しい小児救急医療体制の実態

母になるなら流山の充実しつつも厳しい小児救急医療体制の実態についてです。データに関しては市・東葛病院のホームページと、東葛病院の下記の講座での資料のメモも利用しています。健康講座「小児救急のかかり方」 東葛病院小児科科長 小林医師 流山市で小…

災害時、流山市の救護所はどこにできるの?

大規模災害だとどこの病院があいてるかわかりませんし、地域の拠点になるような病院へ出向いても、 重症患者優先で一般の方は門前の救護所での扱いになるそうです。ちなみに避難所、救護所、災害拠点病院それぞれ役割があり、場所も異なります。 これを事前…

お薬手帳を持参したら増える自己負担20円を考えよう

2014年4月から薬局で薬をもらう際に「お薬手帳を持参したら」自己負担が20円増えました。「支払う金額が増えるなら、お薬手帳なんて持っていかないよ」という意見を多く聞くのですが、それで「薬のリスク」回避できれば安くないですか?持っていかな…

講演 「伝える医学 伝わる医学」 at 東大医学部五月祭 2014.05.17

ゆうきゆう×石川善樹×瀬尾拡史 3名の講演の後、パネルディスカッション。それぞれ全く違う経歴で、同世代ぐらいの若い先生。 これだけの逸材を呼べるのはさすが東大。3人とも30分という枠での講演が驚異的に面白かったです。 人前で話すという点だけでも学ぶ…

深刻なの医師不足だけではない!

日本では医師が足りていません。 では都道府県別にみると、どの県が?H24年 人口10万人あたりの医師数(医療施設従事者数)(※1) 1位 京都府 296.7 2位 徳島県 296.3 3位 東京都 295.7 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 45位 千葉県 172.7 46位 茨城県 167.0 47位 …

日本のタミフル備蓄は妥当なのか?

日本では新型インフルエンザ対策として、国と都道府県でタミフルを備蓄しています。その量は2013年時点で約5420万人分!タミフル消費量世界一なら備蓄量もすごいですね。しかし数年前から国内でタミフル耐性ウイルスの報告があるのに、なぜ他の抗イ…

インフルエンザ=タミフル・リレンザは効かない?

インフルエンザと言えば「タミフル」「リレンザ」という薬がとても有名ですが、この薬に関する衝撃的なレポートが英国のコクラン共同計画によって発表されました。 ※コクラン共同計画についてはこちらこのレポートによると、 ■最初の症状緩和までの時間: 「…

医療に関わる 相反する関係をどう考えるか、仕切りなおそう

小児医療の問題。 それはあまりに大きすぎてとても解決できそうにない。 今まで多くの人がこの問題に取り組んでいるだろうが、未だに問題は山積みだ。医療の問題はひとつ原因を解決すれば一つの問題が解決するようなものではない。 突き詰めていくと、どうし…

日本の小児医療を知ってもらうことへの思い

「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」代表の阿真さんの記事に共感する部分が多々あったのでご紹介。 自分はしゃべりが下手なので、引用しながら自分の考えをまとめさせてもらいたいと思います。 日本の医療−課題と展望− 小児医療を知ってもらうことで親の不…

流山の夜間休日診療がわかりづらい理由

主に子育て世代の方に「流山で子育てするなら」ということで、夜間休日診療の事情や不便さ関して連載で書いていますが、根本的な「なぜそうな面倒なことになってるのか」というのを書いてみます。過去のエントリー) 流山で子育てするなら知っておきたい夜間…