お薬手帳を持参したら増える自己負担20円を考えよう
2014年4月から薬局で薬をもらう際に「お薬手帳を持参したら」自己負担が20円増えました。
「支払う金額が増えるなら、お薬手帳なんて持っていかないよ」
という意見を多く聞くのですが、それで「薬のリスク」回避できれば安くないですか?
持っていかないのはもちろん選択の一つですが、もう少し考えてみませんか?
薬剤師とお薬手帳には飲み合わせのチェックなど、重要な役割があります。
例えば薬が2種類以上になった時。薬のリスクは
リスク1+リスク2+・・・
という単純な足し算ではありません。
同時に服用してはいけない薬はもちろん、同じような作用のものが別々の病院で処方されることもあります。
薬のこと、自分でわかりますか?
ただ、殆ど薬を飲まない人には説得力を欠きますよね。
それでも・・・薬には副反応のリスクが必ずあります。
20円はその分のリスク回避にはつながりますよ。
うまく薬剤師とお薬手帳を使いましょう。
(もちろんお薬手帳は1冊にまとめて)
それにしてもこの改正、真面目な患者と薬剤師さんが割を食う結果になってます。
これが患者の薬剤師不信につながるのでは本末転倒もいいところです。
厚生労働省の意図は
「薬剤師がちゃんとお薬手帳を使うように患者へ指導してください」
ということで、これが出来れば薬局は、薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料)を加算(34点→41点に)できます。しかし、薬局のもらうお金は診療報酬といって、患者が自己負担分(3割)を払い、残り(7割)を加入している保険組合が払います。
私たちが医療機関の窓口で払うお金は国が決めた値段なんです。
国はこの診療報酬の金額を変えることで医療政策をコントロールしているので、
今回のように
「真面目に患者指導をやった薬局はもらえる金額高くするよ」
と設定すると、薬局がもらうお金は患者と保険組合が払うので、
「真面目な患者は自己負担増やすよ」
という矛盾が発生します。
しかし、厚生労働省も合理的に制度を考えているはずなので、
お薬手帳を持って行かないデメリット > 自己負担20円
になっているのは間違いないと思います。
診療報酬によるコントロールの限界は感じますが、薬局・薬剤師がお薬手帳の重要性を患者にしっかり伝えなければいけないのも事実。
次へ薬局へ行くとき、お薬手帳持って行きますか?