課題解決でNPOや市民活動組織は壊れない

前回エントリー「NPOや市民活動に必要なのは「課題解決」の精神」の続編です。

「課題解決」の目的で入ってきた新メンバーに「活動継続」を既存メンバーが期待するとどうなるか。


若い人が入ってくると、新しい後継者!とばかりに

「ぜひ思いを引き継いでほしい」

と言いたくなるそうですが、これを早い段階で口に出せば

『それは目的じゃないんですが・・・』

と思われるのはしかたありません。

同時に。すべての新メンバーが期待の新人ではありませんよね。

若い人が入ってくるとちょっとうるさい。
今までのやり方を無視してあれこれ言ってくる。
既存のメンバーからすれば

「そのやり方では効果がでない・現実的でない」

「他のメンバーに迷惑になる」

「組織の信頼にかかわる」

色々な難点が見えていると思います。
そういった時に、どうやって折り合い、協働して行くか。

若い人に一番見えていないのは「継続の力」でしょう。
「継続することが目的になっている」という批判をあげましたが、
実際には「継続することで解決できた問題」もあるでしょう。

まずその理解を求めること。
ただ単に「人に寄り添う」という意見を主張しても、新しい参加者には理解が難しいです。
継続が目的なのか課題解決が目的なのか。その問答に陥ってしまいます。

反対に、若い人には見えているものが

「新しい視点(課題解決する方法かも?)」

ということは無視してはいけません。
長年の活動で解決していない課題に対しての意見であれば、ぜひ聞いて実践してみるのも一つです。
外から見た新しい方法には可能性があります。失敗を恐れるよりやってみた方がいいでしょ?

そこには意見が採用された思いと、失敗したとしても協働した経験が残ります。


課題解決型はコミュニティー型と反して、

課題解決のためにメンバーに役割を課せられ、(メンバーの心が離れて)組織が継続出来ない

こんなイメージを持たれますが、課題解決型でも継続が必要なのは同じです。

個人を無視して組織の取り組みを優先することはすべきではありません。
そこにいて心地よい。組織への愛着は人の力を引き出します。
課題解決を1番に持ってきたとしても、組織で取り組むことは絶対に必要なことです。

課題解決型でもメンバーの力(リソース)は一緒です。
違うのは、課題解決に必要なリソースを計算することです。

足りなければ、足りない分を把握して補うこと。
今いるメンバーから引き出す必要はありません。

だから「会費だけメンバー」も「事務局」も全て必要なメンバーです。


「課題解決」の目的を意識しながら、「メンバーに愛着を持たせ継続する」こと。
どっちも必要な要素です。相反するものではありません。