ザ・プレゼンテーション スライドからの脱却・時間的労力を惜しまない

前回からの続き

プレゼンの目標が「情報を伝える」のではなく、「経験してもらう」である場合。
「学んで・理解してもらう」というものではなく、「共感して、協力してもらう」というケースだと思います。その時にスライドはどう変わっていくか。

「スライドを読む」というのは情報を伝えるだけです。
よくまとまったレポートを配る方が効果的かもしれません。

プレゼンをするのであれば、感情に訴え、ストーリーで伝える。
ストーリーは経験を作り出します。
事実だけではダメなんですね。人の心は動かない。

必要なのは「スライドから脱却」すること。

人が一度に処理できるメッセージは一つだけです。
話を聞きながらスライドを読むことはできません。

「スライドを読む」ではなく、単純化して3秒で理解できるようにする。
純化して単語レベルまで落とし込む。

これだけだと、スライドを単純化すれば済む。

しかし、人間は3分も同じ画面だと飽きる。
2分以内にスライドを変えることが必要。
それ以上に頻繁にスライドを変えた方が興味を惹きつけることは出来る。

そうすると、必然的に大量の単純なスライドでプレゼンが構成されるようになります。
しかもストーリーになっていて、その中にはコントラストもあり、インパクトのある写真を入れたり、実際のデモを見せたり。


さぁ、この時点でとても作れる気がしないですね。


しかし、プレゼンというコミュニケーションにおいて、その準備にはもっと時間をかけるべきなのです。プレゼンは時間的投資に対して得られるリターンがとても大きいものです。

聴衆がどれだけ興味をもつかはプレゼンターの準備に比例する。

改善の余地はいくらでも転がっています。
練習はもちろんですが、リハーサルを行い、他者の建設的なフィードバックをもらえればなおよし。

どんな作品でも最初の原稿はクズだ

という、ヘミングウェイの言葉があるそうです。
密度の濃い検討会を開けば、プレゼン時間の3倍はかかるとのこと。

いいプレゼンには時間的労力がかかるのです。