ザ・プレゼンテーション 1枚1分からのブレイクスルー

新入社員時代に教わったプレゼンの鉄則

「スライドは1枚1分」

これは多くの人が聞いたことがあると思います。

プレゼンを聞くときに、この鉄則に反し、1枚のスライドにだらだらと文章を書いたり、拡大しないと見えないような図があると、ちょっとがっかりしませんか。
他にも私はこんなことを教わりました。

「文章は箇条書きで」
「1枚に7行まで」
「フォントサイズは32pt以上」

しかし、これらを全く無視したプレゼンに出会いました。
でもそのプレゼンは「非常によくできている」というイメージしかありません。

画像を多用し、テンポよく切り替わるスライド。
全く新しい感じのプレゼンでした。

私の教わったルールを「悪い意味」で違反はしていないのです。
「やってはいけない例」の真逆をいってるのです。

例えば、スライドに文章は殆どありません。
それどころか1スライド1単語に近い。

その間話し続け、スライドは常に話とリンクしている。

一見しただけで相当な作り込みと練習量、そして経験があるのだろうと想像しました。

最初はそのビジュアルに圧倒されましたが、それだけじゃない。
最終的にスライド数は30分間で120枚にも及んでいました。

私は中身以上にこのプレゼン方法に圧倒されてしまったので、
結果的にプレゼンの中身に集中できなかったわけですが・・・

これが、噂のTED式プレゼンか?
そして気になってこちらの本を読みました。

『ザ・プレゼンテーション』

なかなか読み応えるのある本でした。
これを読むと「スライドは1枚1分」である必要はないことがよくわかりました。
その根拠をまとめれば下記のようになると思います。

プレゼンテーションは発表するものであり、配るものではない。
プレゼンテーションは経験を作り出すもので、情報を伝えるものではない。

「スライドを読ませよう」という概念がないんですね。
だからと言って、情報を伝えないわけではなく、数字や図解も出てきます。

自分が発表するときに「経験してもらうのか」「情報をつたえるのか」
考えたこともなかったです。疑いもなく後者だと思っていました。

ここでさらに大事なのは「自分」がではなく「聴衆」がどちらを求めているかということ。
もし前者であれば、「スライドは1枚1分」の必要はなく、後者であれば「プレゼンをする必要がない」かもしれません。

(つづく)