NPO総会に必要なこと

NPOの総会から株主総会を考える記事がありました。

NPOの総会にみる支援者の満足度向上と株主総会の価値

株主総会のイメージは型どおりに当期の報告事項を終え、足早に決議事項を説明する。
そして投資家へのリターンにこたえるための、短期的な満足度を高める対応をする。

これに対して、前述の記事では「特定非営利活動法人かものはしプロジェクト」のというNPOの総会を事例に、本来の株主総会の価値とは何か?という疑問を投げています。

NPOでは寄付や労働がその団体への投資に当たり、リターンは取り組む社会課題の解決です。
かものはしの場合は、この総会でさらなる投資を得るために、活動の内容の報告と主催者と参加者の意見交換を行っているようです。
そうすることで参加者をさらに巻き込み、総会を活動を広げる場所としても活用しています。

総会で150人規模の参加者を集められるNPOはなかなか存在しないと思いますが、これは株式総会だけではなくほとんどのNPOにも参考になる事例だと思います。

NPOでは殆ど「総会を開くこと」が目的になり、マンパワー的にもそれで一杯一杯。
資料を作ったり決算ができていれば、かなりいい方でしょう。

これだとNPOの総会も、株主総会とあまり変わらないのではないでしょうか?

NPO総会も株主総会と同じく「投資とリターン」に向き合うことが必要だと思います。
投資(寄付と労働)を引き出すために、リターン(社会課題の解決)を連想させる必要があります。

株式会社に比べ、「投資を引き出すこと」自体が存続するための大きな意味を持ち、そのうえ難しい。
でも巻き込んでいくことは株式会社より難しくないと思います。
金銭的な理由ではなく、活動自体への興味を持っている人たちですから。

今、組織が抱えている問題について。前述のかものはしであれば、ファンドレイジングについて意見交換するというのはとてもわかりやすい例だと思います。もちろんこれは各NPOごとに異なります。普通のNPOならファンドレイジングについて話しても、殆ど有効な意見が出ないでしょう。


こうして改めてNPOの総会について考えたとき、一番怖いと思ったのは、

 「株主総会を目指してしまうこと」

だと感じました。
NPOの中でも影響力がある方が、そのまま勤め先の株主総会に当てはめて、それを例にあげて取り入れてしまう。普通に聞き入れてしまいそうですが、よく考えればNPOの総会と株主総会は同じ目的ではないはずです。
せっかく関係者があつまる場ですから「投資とリターン」について、NPOも総会を機に見直すことができればと思います。