待ち時間が短いが正解か

前回ビジネスとしては

客を待たせる=利益が減る

と書きました。

では待ち時間を0にする仕組みがあれば
一番利益が増えるかと言えば、答えは「否」です。

待ち時間を0にするということは、
一番のピークに合わせるためにスタッフ数も、
施設規模も広げることになります。

そうするとその維持のために固定費や人件費が増えて、
トータルでは利益が減ります。

待合室が一番混む時間に合わせて作ってしまうとその維持費が。
スタッフはまだ時間ごとに増減できますが、
それとてすべての人がパートタイム的な働き方をしているわけではありません。

では、ビジネス的にはどうするか。
(個人的にはあまりビジネスという言葉が好きではないのですが・・・)

例えば一時期行列のできたドーナツ屋さんが話題になりましたよね。
待ち時間で出来立てのドーナツを無料配布していました。

こうすると、待ってでも買ってくれたり、他の時間にもリピートしてくれるので
無理やりキャパを増やさなくても、利益を増やせます。
多分無料配布したドーナツ1つ分の売り上げが減っても十分元を取れます
(確かお持ち帰りは10個入りセットとかで売ってたような・・・)

またラーメン屋で言えば、食券制にして先に作る準備を始める。
他にも客をどこで待たせるかによって不満の感じ方が違うそうです。
(確か外より店内に入ってから待たされる方が不満に感じるとか)

こういった工夫。病院でもしてくれませんか。

例えば一番低コストなのは「敷地に入れない」ことですよね。
時間だけ患者に伝えられれば、待合室に患者が滞留しません。狭くてもOK。
院内感染も防げるし。いいことづくめです。

でも、これはビジネス的にはきっとNG。

なぜなら「機会損失」だからです。

せっかく客(患者)が(待って)いるなら、
それも商機(機会)にしよう。

というのがビジネスで、自販機ひとつおけばちょっとした売上になったり、
売店やらカフェやらを併設すればそこで副収入があるわけです。
もちろん採算が合わなかったり、患者は満足しないケースもあります。

あんまりビジネス的な発想ばかりだとあれですので、、、
例えば待ち時間で何か講座を開いたりすれば、
患者の意識も上がり医療費の抑制にはなります。

病院の直接的な利益にはならないかもしれませんが、
社会的には医療費が抑制されて、病院の評判が良くなれば、
のべ受診者数が減っても、患者数は増えることも考えられます。
そうすると利益はあがる可能性の方が高いと思います。

 待ち時間=悪

ではなく、

 待ち時間そのものを感じさせない。

というのがベストだと思うのですよね。

時間・曜日・季節など、それぞれの波を考えると
ピークに合わせる(採算をとる)のは到底不可能です。

でも長期間の受診などになると、どんどん待ち時間は苦痛になっていったり。
そうするとハード的(売店・カフェなど)なものがあるだけでは、
同じような状態で飽きる気もしますね。
ソフト的にも全ての人が興味のある医療講座が開けるわけがないし・・・

「待ち時間」

本当にとっても深い重大な課題だと思います。
そもそも日本人は待ち時間に関して世界と比較してもシビアです。
コールセンターでつながるまでに待てる時間を調査した結果、
一番待てる時間が短かったのは日本人だったのをどこかでみました。

個人的には駅ビルと直結して買い物できるとか、
スタジオ(音楽室)があって遊べたりしたら
全然苦じゃないです(笑。
お料理教室でもいいですよ。

こんな長文にしておいて、
明らかに現実的な対策は示せていませんが・・・(汗

医療を社会資源として考えると、
ピーク時の多少の待ち時間はコストに反映すると思い、
患者側が工夫する必要もあると思います。
工夫でどうにかなるレベルにまずなってほしいですが。