乳幼児の感染症による死亡率の要因
先日の読売新聞千葉支局による、ちば健康塾「みんなで考えるワクチン」であったお話です。
実際にはWHOのデータを引用してお話いただきました。
誰でもWHOのデータは閲覧できるということでしたが、英語に弱いので直接講座の内容とメモを引用させていただきます。
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世界では3人に1が感染症で亡くなっています。
途上国は2人に1人。
先進国は7人に1人。
5歳未満の感染症死亡者数を見ると、世界で実に100倍の差があります。
死亡率が最も低いのはルクセンブルクやサンマリノというヨーロッパの国。
日本もそれに続く低さです。
出生1000人あたり2人〜3人という数字です。
その100倍
最も死亡率が高いのはチャドで209人。その次にアフガニスタン199人。
政情不安定な国が多く並びます。
日本でも以前は多くの乳児が肺炎などで亡くなっていました。
ではどうすれば感染症による死亡者数が減るのか?
WHOの5歳未満の死亡率データを様々なものに関連付けて見せていただけました。
まず考えられるのが、経済的要因。
しかし1人あたりのGDPと子どもの死亡率には相関関係は見られません。
では何が比例するのか?あげられた項目は以下のようなものです。
ある程度比例しているもの
・3種混合の予防接種率
・避妊率
比例しているのもの
・女性の教育年数
綺麗に比例しているもの
・女性の出産数
日本で多すぎるとされているベット数は一定数以上あると比例しなくなり、
不足されている医師数も同じく、ある程度確保されていると変わらないのです。
なので、子どもの命を守るために、「医師の増員」は必ずしも解決にはなりません。
労働環境の改善のために小児科医の増員は必要だと思いますが・・・
そして病院を集約することでベット数が減っても、影響はないでしょう。
世界の乳幼児死亡率の要因を見ると、医療面ではない項目も非常に多いことがわかりました。
これは予防接種だけではなく、予防というのは色々な形があるのだと実感しました。