相手のニーズに合わせよう 「記帳は手書きでする時代じゃない」

先日青色申告会が主催する「会計ソフトによる記帳指導」というものを受けてきました。
私は会計ソフトの選び方。ソフトがいくつか出ているので、それぞれの違いなどを確認しようと思い、会計ソフトの購入を先送りしてこの日を迎えました。

会場につくと十数名の席が準備されており、思ったより少人数制。
各席にはノートPCが一台ずつ置かれており、なかなか手がかかっています。

講習が始まると最初は「所得税、消費税」の話。
ネットで調べればすぐわかる範囲ですが、青色申告の説明としては必要でしょう。

その後、いよいよ会計ソフトの説明か?
と思ったら、いきなり「会計ソフトの操作説明」

ん?このソフトは何?どこで手に入れるの??

そんな私の思いはよそに、会計ソフトの素晴らしさを説明する講師。

「手書きの場合は総勘定元帳〜のも全部書かないといけませんが、会計ソフトなら一回入力すれば全部作ってくれます。」

断っておきますが、会場にいる人は私より若い人の方が多かったです。
(平均で言えば自分が中間ぐらい)
はっきり言って、ここにきている人は「手書きで記帳する」経験をしたことがないどころか、はじめから「記帳はPCでするもの」だと思ってるぐらいじゃないかと。
操作方法に関しても

「登録をクリックしてください」

とか、言われなくも、このぐらいのことなら、各自できるレベルだと思うんですが・・・

前職でPCの操作説明や経理入力の運用もしていたので、私だったらこういった進行はしないな。
と強く思いながら、一応一緒に進めました。

PCを持ち込んでいたので、他の作業をしたかったのですが、こういう時に限って圏外のdocomoだし。
(最近東葛北部でも中途半端にLTEに切り替わる(余計遅い)のでイライラします)

しかもこの講習途中で休憩を一回はさんでおきながら、質問の時間が途中に一回もない。
最後に質問を受けるのは講師ではなく、後ろでフォローに回っていた税理士という・・・

* * *

さて、せっかくなので、こういった講習すら自分のためにするために、改善点を考えてみます。

1.PCの操作レベルを事前に調べる
無作為に人を集めてPCの操作説明をするのはもはや暴力と言っても過言ではありません。
 それぐらい、人によってできるレベルが違います。
これを無視して全員集めて同じことをやらすなんて非効率極まりないです。
経験上、年齢も関係しますが、高齢の方でもできる人はいますし、若くても全然ダメな人もいます。

2.講師が立ちながら話し、アシスタントが操作する。
→今回、講師の人はずっと机に座りながらPCを操作して話していました。
 全く受講生の進捗を確認していないで、アシスタントの人が目を光らせて遅れている人をフォローする状態です。これ逆でしょ?操作なんて誰がやっても変わらないんだから、講師は受講生を観察しながら合わせて進行しないと。

3.質問や確認の時間をこまめに入れる
→「この仕訳をやってみましょう」という場合でも
「なんでこういう仕訳になるんですか?」
という仕訳そのものが確認したかったり、
「なんで他の画面からではなく、この画面から修正・削除するんですか?」
という機能を確認したかったり、人それぞれ引っかかるところは違います。


ざっと考えた感じですが、全体を振り返ると、この講座は

「今まで手書きで記帳していた人」

を対象に行っている気がします。たぶんこの講座を何年もやってるんですね。ソフトは新しくなっても、講座の中身はそのままで。

最後にアシスタントに回っていた税理士さんにみんなで質問していました。
これがメインじゃないかと?

私のなかには

「会計ソフトの購入をこの日のために先送りしていたのはいったい・・・」

青色申告会と税務署では開業届の情報は筒抜けなんだ」
(→ダイレクトメールが来て、業種まで把握していた)

という思いだけが残りました。
個人事業の情報は個人情報ではないということでしょうか?

ちなみに今回使われていたソフトは「ブルーリターンA 2013」というソフトです。
単体で購入すると恐ろしく高いですが、青色申告会に入会すれば無料でセットアップまでしてくれるそうです。

 そう、あちらの狙いはここだったわけですね。

ブルーリターンAは個人的に、あか抜けず、期待したい親切機能が欠ける感じがします。
しかし個人事業向けに作られており、過度な機能がない分使いやすく、有名ソフトの「弥生」などから切り替える人も多いそうです。
(弥生は法人ベースなので難しいとか・・・まぁ、そりゃブルーリターンAを押しますよね)

このソフト代と税務署への申告代行をしてくれるそうなので時間が惜しい人は入会もありだと思います。
私はその値段でソフトが毎年2本買えるので辞めておきました。ブルーリターンAも直感的に「なし」だと感じたので。

このソフトと入会の勧誘も「いつでも電話で相談してください」と言っていましたが、考えてみると「電話よりインターネットで検索」が先なわけで、このあたりも「記帳は手書き」の時代を引きずっているのかもしれません。いや、いまだに電話してくる人はたくさんいるみたいなので、そういう人もいるんでしょうけど。